愛・女性障害騎手のパイオニアが電撃引退
2025年5月15日 05:30 アイルランドにおける24/25年の障害シーズン閉幕から9日後の12日、女性障害騎手の第一人者レイチェル・ブラックモア(35)が、電撃的に引退を表明した。
幼少の頃から馬術やポニー競馬に親しむ一方、リムリック大学で馬種科学を学んだレイチェルが、アマチュア騎手として騎乗し始めたのが21歳の時、プロに転向したのは25歳の時だった。以降の彼女のキャリアはまさにパイオニアと呼ぶにふさわしいもので、17年に女性として初めて最優秀見習い騎手の称号を獲得。21年には女性として初めてチェルトナムフェスティバルにおけるリーディングジョッキーとなり、同年には、女性には完走すら困難と言われたグランドナショナルをミネラタイムスに騎乗して制覇するなど、数々の偉業を成し遂げてきた。
今年3月には、ボブオリンジャーに騎乗してステイヤーズハードルに優勝し、チェルトナムフェスティバルにおけるフルハウス(4日間のメイン競走完全制覇)を達成していた。昨年9月、ダウンパトリック競馬場で落馬して首を損傷。3カ月にわたって戦線を離れた後、復帰を果たしたものの、このケガが引退の引き金になったとみられている。 (競馬評論家)