新興勢力に“移籍”J・ドイルの手綱さばき注目

2023年11月2日 05:30

 芝の平地競馬が最終盤を迎えているこの時季は、人事異動の季節でもある。今週初めにも英国から、ジェームズ・ドイル騎手(35)が今季いっぱいでゴドルフィンを離れ来季はワスナンレーシングに加入するというニュースが聞こえてきた。

 15年からドバイのシェイク・モハメドが率いるゴドルフィンと契約し騎乗してきたドイル。しかし立場はセカンドジョッキーで、有力馬はほとんどがファーストジョッキーのウィリアム・ビュイックが騎乗していた。それでも今季もゴドルフィン所有馬で5重賞を制した他、クールモアからの依頼でウォームハート(牝3)に騎乗しG1ヴェルメイユ賞など2つのG1を制するなど随所で巧みな手綱さばきを見せていた。そんなドイルに、ファーストジョッキーとしてのオファーを出したのが新興勢力のワスナンだ。ワスナンはカタールの首長であるシェイク・タミムが起こした競馬組織で、今年6月にはトレードで獲得したクラージュモナミ(セン4)でロイヤル開催のG1ゴールドCを制するなど、着々と勢力を拡大しつつある。好漢ドイルがどのような騎乗を見せるか来季の欧州競馬の楽しみの一つとなりそうだ。 (競馬評論家)

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