【浜田】取材経験と分析力で香港馬を本命指名

2024年6月6日 10:00

 木曜のテーマは競馬。前週に会心ヒットを放った記者が、的中へのプロセスを振り返る。今週は前東京本社予想を務めた浜田公人が登場。安田記念の3連単1万7740円を◎△△で仕留めた。勝った香港馬ロマンチックウォリアーの“本気度”を、過去の取材経験から的確にジャッジ。加えて当日の天気、馬場を読み切ったのも勝因だ。

 ロマンチックウォリアーの前走クイーンエリザベス2世Cは、テレビで見ていてもハードなレースだった。直後のインタビューでシャム師が「日本には行くつもりだが、あくまで馬の回復次第」と慎重姿勢だったのは当然。記者は当初、来日を見送るのでは、と踏んでいた。だから来日が決定したと聞き「これは本気だ」と思った。その時点で◎は決めていたと言っていい。

 JRAの招待を受け、旅費の大半が補助されるジャパンCでは、明らかに“観光気分”の外国馬陣営を何度も見てきた。でも自腹を切ってやって来る安田記念は違う。ましてやG14連勝中の世界的名馬。いくらオーナーが日本好きとはいえ、体調が整わないままの無理な遠征などあり得ない。最終追いの動きも抜群だった。最近は来日してからほとんど調教しない外国馬ばかり見てきたから、より本気度を感じられた。

 とはいえ本気だから勝てるわけでもない。もし1分31秒台前半、あるいは30秒台に突入する決着には不安があった。少しはお湿りが欲しい。かと言ってドボドボの道悪も経験がなく買いづらい。今回は競馬の予想というより、連日、天気図とにらめっこ。気温や風速、降水量など手に入るデータをかき集め、週末の天気と馬場を自分なりに分析。出した結論は「やや重で少し時計のかかる馬場」。これがズバリ的中。発走直前に小躍りして馬券を買い足した。

 久々のマイル戦で追走が懸念されたが、鞍上マクドナルドの騎乗も見事だった。何の苦もなく好ポジションをキープ。直線半ばまで前と外をふさがれたが、進路が空くのを待つ余裕もあった。「ラスト1Fで彼が本気を出すと、なかなか付いてこられる馬はいない」と鞍上。愛馬のポテンシャルへの信頼が冷静な判断へとつながった。さすがはレベルの高いオーストラリアのシドニー地区で、リーディングを7度獲得している名手。今後、JRAが馬券発売する海外競馬で彼の名前を見かけたら、ぜひとも馬券に組み込みたいと思う。 (浜田 公人)

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