【スプリンターズS】サトノレーヴ史上初「父子2代制覇」へ
2024年9月25日 05:30 3年前の当欄でスプリンターズSにおける父子制覇のハードルの高さについて触れた。その翌年には父子制覇以上に難易度が高い牡牝混合G1の“母子制覇”が02年優勝馬ビリーヴの産駒、ジャンダルムによって達成されたのだが、依然として90年のG1格上げ以降の歴代優勝馬が優勝馬の父となったケースはない。同様に父子制覇と縁遠かったマイルCSでは、22年にダイワメジャー産駒セリフォスが優勝し、長年の懸案に決着をつけた。現在、「父子2代制覇」が実現していないJRA・G1は他に、00年にジャパンCダートとして創設されたチャンピオンズC、17年に格上げされた大阪杯(G2当時の勝ち馬オルフェーヴルは20年の覇者ラッキーライラックを出した)と、ホープフルSのみとなっている。
スプリント重賞連勝中のサトノレーヴは12、13年の覇者にして中山芝1200メートルのレコードホルダーでもあるロードカナロアの産駒。母の父サクラバクシンオーは、こちらも94年にG1スプリンターズS初の連覇をレコードで飾った馬である。同配合のファストフォースが21年15着、22年10着と振るわず、23年高松宮記念でG1勝ちを収めたことが気にならなくもないのだが、前記したジンクス破りの最終兵器には違いないだろう。
サトノレーヴは13年スプリンターズSの2着馬ハクサンムーンの10歳違いの半弟。逃げ切りを図ったこの兄を3/4馬身差で差し切ったのがロードカナロアだった。結果的に父は自作自演で11年越しの血統的雪辱戦を仕掛けていたことにもなる。レース史上初の「父子2代制覇」の舞台設定は整った感じだ。 (サラブレッド血統センター)
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