【天皇賞・秋】クロワデュノール 父子2代の春秋盾制覇へ

2026年10月28日 05:29

 “父系3代制覇”の歴史的決着となった菊花賞は、出走18頭中9頭までが菊花賞馬の産駒だった。今週の天皇賞は一転、歴代優勝馬の産駒、すなわち父子制覇が懸かる馬は1頭しかいないのだが、血統的にはその1頭が幾重ものフィルターにかけられたかのように強力。9年前の覇者であり、すでに22、23年のイクイノックスで父子制覇を達成したキタサンブラックの産駒クロワデュノールである。

 グレード制導入以降の天皇賞・秋で初めて父子制覇が記録されたのは99年の優勝馬スペシャルウィークの産駒ブエナビスタが優勝した10年。この年は2着ペルーサの父も04年優勝馬ゼンノロブロイだったのだが、それ以降も秋の天皇賞馬の産駒が連に絡んだケースは前出イクイノックスのみ。「G1父子制覇」の常連でもある国産2大チャンピオンサイヤー、ディープインパクトとキングカメハメハがそろって蚊帳の外ということも血統的再現性の低さにつながっているのだろう。そして、このような状況下にあって「中4年」という物理的な最短ルートで父子制覇を成し遂げた種牡馬キタサンブラックのレース適性は、別格とみておく必要がある。

 “秋天血統”としてのキタサンブラックのルーツと考えられるのは、母の父サクラバクシンオーの父サクラユタカオー。86年秋の天皇賞を当時のJRAレコードとなる1分58秒3で快勝した名中距離馬である。ちなみにサクラバクシンオーの母サクラハゴロモは83年春の天皇賞馬アンバーシャダイの全妹。種牡馬キタサンブラックのBMS(母父)サクラバクシンオーは、一人二役で「天皇賞春秋連覇」をアシストした陰のVIP血脈といえるかもしれない。

 菊花賞で産駒のバステールが父子制覇にあと一歩まで迫ったキタサンブラックは、現時点で国内総合種牡馬リーディング第3位。首位キズナとの差はギリギリ射程圏の約6億円をキープしている。1着賞金3億円の秋の天皇賞にはキズナも2位ロードカナロアも産駒のエントリーがない。父子2代の春秋制覇で大逆転のリーディング奪取に弾みをつけるとみた。(サラブレッド血統センター)

特集

この記者のコラム

他の記者のコラム