映画の舞台になった新冠橋本牧場 1戦1勝のテンピンに夢を託す

2020年4月16日 16:41

生後1カ月のテンピン(提供・新冠橋本牧場)

 意欲の参戦で生まれ故郷を盛り上げる。1戦1勝のキャリアで皐月賞にチャレンジするテンピン(牡3=安田隆、父ジャスタウェイ)。少なくとも86年以降に限れば初となるキャリア1戦でのクラシック参戦。勝てば41年セントライト、42年アルバイトに続き、1戦1勝での皐月賞制覇となる。生産者である新冠橋本牧場の橋本英之代表(35)は皐月賞の登録馬の中に「テンピン」の4文字を見つけてビックリしたと明かす。

 「驚きしかなかったですね。この馬、実はうちの看板血統なんです。おばあちゃんは(01年の)フラワーCを勝ったタイムフェアレディ。おじのウインガナドルは一昨年の菊花賞(16着)、同じくヒルノダカールは同じ年のホープフルS(7着)に出ています。ただ、ヒルノは去年のダービーが4分の2の抽選で除外…。あの時は悔しい思いをしましたし、それだけに今回は出走できて安心しました」

 88年に公開された映画「優駿 ORACION」のロケ地になったことで知られる名門は、幾多の活躍馬を輩出してきた。古くは73年高松宮杯を制したタケデンバード。00年以降ではダートで重賞5勝を挙げたスノーエンデバー、同じく5勝で08年JCダート2着のメイショウトウコンが代表格だが、惜しくもG1には手が届いていない。昨年の菊花賞のザダル(13着)以来となる生産馬のG1出走。「さすがに1頭でも多く負かせれば…」というのが本音だが、“もしかしたら…”と思うのも親心。幸いにも当日は雨予報。「切れるタイプではないから、道悪はプラスだと思います。できれば好位を取って、精いっぱい頑張ってほしいです」。にわかにレースが待ち遠しくなってきた。当日はテレビの前で思いっきり声援を送るつもりだ。

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