【中山記念】高橋祥師 カラテで有終Vへ!力強く坂路単走4F53秒8

2022年2月24日 05:30

坂路で追い切るカラテ(撮影・郡司 修)

 日曜重賞「第96回中山記念」(27日、中山)の追い切りが23日に美浦、栗東両トレセンで行われた。美浦では定年によりラストウイークを迎える高橋祥泰師が送り出すカラテ(牡6)が坂路で機敏な動きを披露。師の引退に花を添えるため態勢を整えた。

 最後の迷いが晴れた。高橋祥師がラストウイークに送り出すカラテ。東京新聞杯から中2週で迎える年明け3戦目は半信半疑だった。最後の晴れ舞台。ただ、当然無理には使えない。悩む師の背中を愛馬が押した。「迷いながらきたが、今日の動きなら行ってもいい。競馬に行かなくてもいいかなとも思ったけど、良かったと思うし楽しみ」。70歳が笑った。

 師を納得させた最終リハは坂路で単走。ハロー(馬場整地)直後の9時46分に登場した。馬の気分に合わせて、手綱を持ったまま登坂。師の思いを乗せるように伸び伸び。そして、グイグイと駆け上がっていく。ラストは首をグッと沈めてフィニッシュ。力強く4F53秒8~1F12秒2で登り切った。「変わりない。良くも悪くもなく前走と同じ。単走でこの時計なら十分」。態勢は整った。

 人馬ともに完全燃焼を誓う。連覇を狙った前走は、直線で前が壁になり追い出しを待たされた。やっと空いたのは勝ち馬の蹄跡をなぞる進路。急追するも3着までだった。「消化不良だった。僕も馬主さんも納得いかない結果だったので、もう一度となった」とリベンジの舞台に立つ。手の内に入れている菅原明も「先生の最後ですからね。僕にとっても初めて重賞(21年東京新聞杯)を勝たせてもらった思い入れのある馬。最後は結果につなげたい」と燃えている。

 条件は大きく替わる。11戦続けたマイルから1F延長。荒れた馬場が得意なだけに開幕週も気になる。師は「距離は問題ない。ただ日曜はパンパンの良馬場みたい。あとはコーナー4つだし、どうさばけるか。枠も大事かな」と思案顔。それでも鞍上が「この馬にとって中山は競馬がしやすい。距離も長くなるし重量が軽くなるのはいい」と強調する材料もある。加えて師の40年の汗と涙。競馬の神様は見てくれているはずだ。

 父・英夫氏は騎手でダービーV、調教師ではオークスV。典型的な厩(うまや)育ちの師。いよいよ別れを告げる。「今まで無事にやってこられてよかった」無事是(これ)名調教師。最後の大一番。愛馬が花を添える。

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