【阪急杯】ダイアトニック文句なし!坂路ラスト1F11秒6 不動の主役へ名乗り上げる

2022年2月24日 05:30

岩田康を背に坂路で追い切るダイアトニック(撮影・亀井 直樹)

 阪神日曜メインの「第66回阪急杯」ではダイアトニック(牡7=安田隆)が栗東坂路で年齢を感じさせない最終リハ。悲願のG1制覇へ、前哨戦は負けられない。

 一念岩をも通す。7歳を迎えたダイアトニック、最大の目標はG1(高松宮記念、3月27日、中京)を勝つこと。振り返れば3着だった一昨年。突き抜けるかの脚いろでゴール前、迫ったが外からクリノガウディー(4着降着)に寄られる致命的な不利。まともなら間違いなく勝っていた。

 あの悲劇から2つ年を重ねて古豪の域に達したが、今の充実ぶりは奇跡。晩成と言われるロードカナロア産駒の成長力なのか。前哨戦に求められるのは結果。これしかない。

 岩田康が坂路の最終追いの手綱を取った。前半ゆったり気分良くうながすとラスト1Fで一気に加速する。スプリンターならではの回転の速いピッチ走法で11秒6。しまい重点で全体は4F55秒6にとどめ、最後はハイラップで締めた。鞍上とのあうんの呼吸、絶妙なサジ加減だ。安田隆師とのコンタクトは極めて短かった。「言うことなし」と鞍上。静かにうなずくトレーナー。両者、満足げな笑みを浮かべた。安田隆師の感触がいい。

 「先週ビッシリやっているからね。今日はこれぐらいで。動きは良かった。7歳だけどカナロアの子は奥手のタイプが多い。この馬もまだまだ良くなると思う。それに寒い時季もカナロアの子はいいからね」

 氷点下2度まで冷え込んだ気温に反発する熱いコメントがまだ続く。

 「前走(スポニチ賞京都金杯4着)はハンデ57・5キロを背負いながら一瞬オッと思わせる内容。今回は距離も200メートル短くなるし、別定56キロで走れるから」

 1週前のCWコースでは中山記念に出走するダノンザキッド(4歳オープン)と併せ、6F82秒8~1F11秒1の好時計をマークした。張りのある馬体から繰り出される豪快なフットワーク。師が言う奥手、晩成の本当の意味をここで知ることになりそうだ。「今年はさらなる飛躍を期して高松宮記念へ。雪辱です」。前哨戦を完勝で飾り、不動の主役に名乗りを上げる。

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