【弥生賞】フラッグで挑む初自作タイトルV

2020年3月5日 05:30

 今年から弥生賞は弥生賞ディープインパクト記念として行われる。本番と同じコースで行われる皐月賞トライアルの開幕戦は、圧勝の連続だった現役時のディープインパクト全12勝のうち、唯一のカタカナ着差(クビ差)の辛勝ということで逆に印象的なレースだ。

 3冠馬の名が冠せられた重賞競走はセントライト記念、シンザン記念に次いで3つ目となるが、残念ながらセントライトもシンザンも種牡馬として自作のタイトルを手に入れることはできなかった。前者の産駒は1948年の第2回で4着に入ったヨシノ(単勝2番人気)、後者は1971年の第5回2着のシングン(単勝5番人気)が最高の成績である。

 ちなみに米国では37年ぶりの3冠馬アメリカンファラオにちなんだ2歳G1アメリカンファラオSが一昨年から行われていて、昨年は同馬の初年度産駒アメリカンシーアラムが2着を確保している。欧州では1982年、アイルランドダービートライアルの前身であるG2ニジンスキーSをニジンスキー産駒のゴールデンフリースが制した。今のところ英米日の「3冠馬」の産駒が父の冠名Gレースに優勝したのは、これが最初で最後となっている。

 現役引退直後だった先例とは異なり、死後にメモリアルレースが創設されたディープインパクトには大きなハンデがある。“回収”のチャンスは4回。今年はサトノフラッグの単騎出走だが、さてどうなるか。(サラブレッド血統センター)

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