オーソリティ“有馬記念激走配合”

2020年12月23日 05:30

 今年の有馬記念、種牡馬単位の切り口では最多5頭出しのディープインパクト以上に注目すべきなのがオルフェーヴル。ラストランの5歳ラッキーライラックを筆頭に4歳オセアグレイト、3歳オーソリティと、3世代から戦力を集中させた初のG1・3頭出しである。

 オルフェーヴルは3冠の余勢を駆った11年、8馬身差の爆走でフィニッシュした13年と、隔年で2度グランプリホースとなった。ちなみにそれ以前に有馬記念を2勝した馬はスピードシンボリ(69、70年)、シンボリルドルフ(84、85年)、オグリキャップ(88、90年)、グラスワンダー(98、99年)、シンボリクリスエス(02、03年)の5頭。スピードシンボリはシンボリルドルフの母の父として再び有馬記念を「2勝」し、そのシンボリルドルフは93年のトウカイテイオーで史上初の父子制覇を達成した。グラスワンダーは後継種牡馬スクリーンヒーローが15年の覇者ゴールドアクターを出し、こちらは史上初の“父系隔世2代制覇”を果たしている。歴代の「2勝馬」は種牡馬としても要所でグランプリ血統としての存在感を放ってきたのである。

 オーソリティは母の父が史上最大着差の9馬身差で有終の美を飾った前記シンボリクリスエス。まるで有馬記念を走るために生まれてきたような配合といえる。異世代の強豪相手でも勝負になる。 (サラブレッド血統センター)

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