【柏原】樫の借り返した!最終レースで8万馬券!

2021年5月27日 08:00

 先週の当欄に登場したのが小林篤尚。今週が自分。新旧・大阪本社予想担当者のリレーだ。彼のようにズバッとG1を当ててチヤホヤされたかったが、オークスは◎ソダシ(8着)から馬券を買ってごう沈した。私情を抜きにしないといけないと分かってはいてもG1でヤラれた後の取材、原稿執筆は精神的にタフな作業。だからこそ最終レースでの会心の的中は、地獄からはい上がったような気分になる。

 オークスで見た地獄からすくい上げてくれたのが東京12R・丹沢S。8万馬券をゲットした、その予想過程を披露しよう。新馬や未出走馬を除き、印を打つ際に最も重視しているのが前走の内容。その意味で◎を打ったマテンロウスパーク(2着)は一切、迷いなし。それくらい前走・ラジオ福島賞の勝ち方にインパクトがあった。7枠13番から道中4、5番手の位置取り。枠的に終始、外を回った分、距離ロスを強いられながらも直線、追い比べで2着キンノマサカリをねじ伏せたのだ。しかも、それが5カ月の休み明け。冬を越し、地力強化の跡がレースぶりに表れていた。

 東京ダート2100メートルは同じくコーナー4つのコース形態である他場のダート1700メートルや1800メートルと比べて、よりスタミナを問われる舞台。マテンロウスパーク自身、昨秋の昇仙峡特別(2勝クラス)で1度この舞台を経験した。当時は4着だったが、ひと皮むけた今なら、もっとやれると判断した。以前は気の弱さがあったようで、もまれるとどうか…の不安があったが直線、狭いところから伸びてきた。結果は2着と勝ち切れなかったがオープン入りは目前に迫っている。

 3着の△ゲンパチルシファーは現級実績から外せない存在。ここはメンバー最速の脚で外から差し切ったリッターシュラークの評価が一番のポイントになった。これが△なら外れ。▲に抜てきできたのが3連単ヒットにつながった。過去3勝は全て中山。それまでの東京4戦では芝も含めて4着が最高着順。以前は左回りでは内にササったり、どうも走りがぎごちなかった。休み明けの灘S4着(阪神)からコース替わりは真っ先に気になる不安材料。だから8番人気と戦歴の割に売れなかったと考えられる。ただ、調教で課題克服に取り組み、年を重ねて改善するのはよくあるケースだ。終わってみれば上位2頭は4歳。若い世代の成長力を再認識するレースでもあった。 (柏原 健士)

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