【仙波】お気に入りでも時には”格下げ”or 無印に

2021年8月12日 10:00

 木曜日のテーマは競馬。前週に高配当をヒットした記者が「この馬券こう当てた」で的中レースを検証する。先週は重賞が2鞍行われたが、仙波広雄記者が函館のダートG3「エルムS」で3連複4万610円をズバリ。お気に入りホースも状況によっては印を下げる、あるいは無印にするという決断こそが、望外の配当を呼び込むと主張した。

 エルムSは4番人気→7番人気→11番人気で決着。△◎△で3連複4万610円を的中したが、ポイントは7番人気オメガレインボー◎もさることながら、それ以上に1番人気アメリカンシード“無印”にある。
 記者はアメリカンシードを高く評価している。バランスのいい馬体で力感も十分。実際、5月の平安S(2着)では◎だった。ただ、3月のマーチS(14着)では無印、今回のエルムSも無印。レースぶりと着順の通り、気分良く走るとめっぽう強いが、周囲を囲まれると力んでしまい威力半減。いわゆる、もまれ弱いタイプ。今回は14頭立て3番という内寄りの枠の上、前に行きたい馬、早めに仕掛けたい馬がズラリ。ハナか好位の外を走りたいアメリカンシードにとって厳しい流れは明らか。1番人気必至だったが、囲まれる形になって2、3着に踏ん張るファイトバックは期待できないキャラクター。限りある印で“押さえ”に回す必要はないと判断した。レースでは3番手で外を抑え込まれズルズル後退。ただし、敗因は鼻出血。アクシデントで敗れてしまったので記者の無印決断の是非は持ち越しとなったが、勇気を出して無印にしたゆえの結果オーライ。何となく押さえていたなら後悔しただろう。
 7番人気オメガレインボーはステップレースに当たるマリーンS2着で、エルムSでも足りることは分かる。夏は前走連対など勢いのある馬を軽視すべきではない。しかも前述したように自力勝負型の多いレースで8枠。距離ロスのある枠だが、このメンバー構成なら相手の出方を見て仕掛けられるメリットの方が勝る。1着スワーヴアラミスはマリーンS勝ち馬。今回は同型の出入りが激しい流れを勝ち切っており、それだけ出来が良かったのだろう。この馬の強さは正直、想定以上だったが、印を回すのは難しくない。3着ロードブレスは前走13着と重量58キロで人気を落としていた。記者も厳しいかと思ったが、あまりに人気が急落していたのでアメリカンシードを無印にした分、印が届いた次第だ。
 人気薄に印を回す以上に、人気馬を“消す”ことが高配当的中の近道。人気馬の走る確率が高いのは確かだが、善戦タイプかムラ駆けか、人気馬の“キャラ”によっては時には無印にする蛮勇を振るおう。 (仙波 広雄)

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