【鈴木正】6年前の雪辱果たした!大穴的中の裏側公開

2021年12月23日 10:00

 木曜日のテーマは競馬。前週に高配当をヒットした記者が「この馬券こう当てた」で的中レースを検証する。18日土曜日の中山12Rで3連単68万8850円をゲットした鈴木正記者が登場。ベテラン騎手・江田照男(49)の逃げ馬は買うべし!大穴を狙った理由を明かした。

 その昔、競馬面にコラムを持っていた頃「最終レースの勝浦に注目」と何度も書き、「最終の勝浦」というフレーズが競馬ファンの間に(わずかに)浸透したことがあった。本人に「勝つのは最終だけじゃないよ」と苦笑いされるというオチもついた。近年、記者が心の中でつぶやいているフレーズは「逃げのエダテル」だ。逃げ馬に乗る江田照騎手、買うべし!
 江田照の逃げ馬を初めて強く意識したのは15年ヴィクトリアマイル。最低18番人気のミナレットで逃げを打ち、3着に粘らせ、3連単2070万5810円の超ビッグ配当を演出した。記者はそれまでミナレットには何度も本命を打ちながら、このレースに限ってマークから外した。勝ったストレイトガールに◎、2着ケイアイエレガントにも△を回していた。100円でも買っていたら…。逃した魚の大きさにぼうぜんとした。
 その後、美浦である騎手と話した時、あの江田照の逃げがどれだけ芸術的だったかを聞かされた。後方が差を詰めにくい11秒台前半のラップを刻み、4角付近で手応えが悪化したかのような“フェイク”を入れたという。追われると尾を振る癖も馬にあったので、それもいい“だまし”になったかもしれない。この時以降、「逃げのエダテル」には注意を払うようになった。
 で、今回。ヤマニンデンファレは未勝利、1勝クラスとも江田照騎乗で逃げ切った。前走1着は11番人気でのもの。2着との差は3/4馬身。「昇級初戦は様子を見よう」のパターンだろう。しかし、記者には確信があった。この馬は強い。前走、最後の直線で手前(軸脚)を替えた瞬間、グッと脚さばきに力がこもった。後続を突き放しはしなかったが、後方の馬の気配を感じ取ろうとする余裕が馬にあった(ように見えた)。休み明け、12キロ増でこの競馬。馬は明らかにパワーアップしていた。
 実はレースではネバーゴーンアウトにハナを譲ってヤマニンデンファレは3番手のイン。ただ、道中で上昇する馬がいてピッチが上がった時、誘いに乗ることなく自分のピッチを守り続け、直線ではイン2頭目を割って抜け出した。予想した“逃げ”ではなかったが結果的に勝ってくれれば文句なし。江田照の凄みに感謝しつつ、高配当を頂いた。

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