モーリス産駒ヒトツ 豪で28年ぶり快挙

2022年3月9日 05:30

 5日にオーストラリアのフレミントン競馬場芝1600メートルで行われたG1オーストラリアンギニーをモーリス産駒ヒトツが快勝した。昨秋のヴィクトリアダービー(芝2500メートル)に続くG1連勝。距離区分MとLの“フレミントン2冠”制覇は94年のマホガニー以来、28年ぶりの快挙である。

 ヒトツは種牡馬入り初年度の17年からシャトル供用されたモーリスの南半球産初世代。豪チャンピオンサイアー、リダウツチョイス産駒の母ラヴイズフィックルは豪G2勝ち馬の半妹で、祖母シーズアミーニーがニュージーランドのG1勝ち馬という牝系も上質だが、世代最強クラスの能力に加え、ジャンル横断のオールラウンダー資質は3代父グラスワンダーから一子相伝的に受け継がれた種牡馬モーリスの神髄といえる。ちなみに8日現在、モーリスの豪州産3歳馬は出走50頭中26頭が勝ち上がり、ヒトツの他にも4頭のGレース入着馬が出ている。3歳世代リーディングでは第4位。同アーニングインデックス(産駒1頭あたりの平均獲得賞金を1・00とした指数)2・99はトップなのだから驚きだ。

 モーリスの母の父カーネギーは凱旋門賞母子制覇の名馬で、国内では期待ほどの成果を残せなかったが、シャトル先のニュージーランドでヴィクトリアダービーのアマルフィらのG1馬を連発。最終的にオーストラリアに完全移籍して成功を収めた。この母の父こそ種牡馬モーリスの特異な南半球適性の源泉なのだろう。 (サラブレッド血統センター)

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