【鈴木正】フェーングロッテンの出世パターン見抜き3連単5万9280円

2022年7月7日 10:00

 ▼木曜日のテーマは競馬。前週に高配当をヒットした記者が「この馬券こう当てた」で的中レースを検証する。今回はラジオNIKKEI賞の3連単5万9280円を的中した鈴木正記者が登場。ベテランらしく、競走馬の性格を見抜いて万馬券ゲットにつなげた。

 出世する競走馬には2つのパターンがある。デビュー戦からきらきらと輝きを放って、あっという間に重賞を手にするタイプ。もう一方は経験を積みながら、階段を上るようにクラスを上げていくタイプだ。フェーングロッテンは、昨年のスプリンターズS優勝馬ピクシーナイトの弟という血統の良さもあって前者のようなイメージかもしれないが、実は後者。叩き上げだ。

 「ちょっと失敗する」→「修正する」→「勝つ」→「昇級する」→「またちょっと失敗する」→「修正する」→「勝つ」(以下ループ)。これがフェーングロッテンのステップアップの正体だ。

 昨年9月、小倉での新馬戦。伸びは見せたが直線で手前(軸脚)を替えなかった。勝ち馬がのちのダービー馬ドウデュースでは3着敗退もやむなしだが、もう少し伸びることができた可能性があった。修正を果たし、3戦目で未勝利を突破した。

 1勝クラス昇級後、2戦してともに10着。ほぼ見せ場なく終わった。陣営は初ブリンカーという“修正”を施す。迎えた大寒桜賞では流れに乗って4角2番手という1勝クラスでは見せたことのない競馬を展開。3着に食らいついた。

 修正できたとなれば、もうイケイケだ。1勝クラスを飛ばしてリステッドの白百合Sへ。ここでは何と、レース中に“修正”を果たす。軽快な逃げを見せたが直線を向くと、顔をスタンドに向けて集中力を失いかけた。首も上げた。鞍上・松若に厳しく怒られた。後続が迫る。左ムチ連打で逃げ切った。失敗&修正&勝利のループをレース中に実現させてしまった、この勝ちっぷりを見て、次走の重賞で好勝負できることを確信した。

 一概に競走馬といってもいろいろなタイプがある。厩舎スタッフの言うことをすぐに理解できる馬もいれば、数カ月かけてようやく分かるタイプ、残念ながらなかなか指導を受け入れないタイプもいる。注目した馬が、どんなタイプなのか。そこをつかむことができれば、その馬が“馬券になる”タイミングもおのずと分かるはずだ。 (鈴木 正)

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