【田井】ダービー馬の進化見抜いた!有馬で3連単4万円超的中

2023年12月28日 08:00

 木曜のテーマは競馬。前週に会心ヒットを放った記者が、的中のプロセスを振り返る。今回は競馬ファンなら誰もが当てたい暮れの大一番「有馬記念」を的中させた田井秀一記者。鮮やかな復活Vを飾った◎ドウデュースから4万超の3連単をズバリ。スポニチきっての馬体派が見抜いた、ダービー馬の“進化”とは?

 6年ぶりのイブ決戦となった有馬記念。敗れた陣営の取材中、スタンドから「ユタカ!ユタカ!」の大合唱が聞こえてきた。豊さんが発した「やっぱり競馬はいいな」はレジェンドならではの含蓄がある名言。馬券の勝負を超越してファンを笑顔にできるスタージョッキーは他にいない。

 では、◎ドウデュースの根拠について。2歳時から一貫して「マイルなら無敵」と表現してきたマッスルボディー。長期休養を経てさらに筋肉が強くなった今秋は天皇賞もジャパンCも距離不安で本命を打たなかった。さらに距離が延びる有馬記念。ドウデュースが変身していた。

 臀部(でんぶ)の筋肉が削れて洗練。語弊を恐れず言えば、筋肉が“小さくなった”。それに伴い、支点である前腕、胸、前後肢をつなぐ胴もシャープに。これは皐月賞→ダービーと同じ変化。2000メートルの天皇賞を走り、2400メートルのジャパンCを走り、ドウデュース自身が順応し、体をつくり変えた。もちろん長距離に強い友道厩舎の手腕によるところも大きかっただろう。

 筋肉が小さくなったとはいえ、メンバーの中では断トツにケツはデカい。臀部の筋肉は推進力を生み出すサラブレッドのエンジン。排気量がNo・1のままで、燃費が向上。逆襲の準備は整っていた。馬体派冥利(みょうり)に尽きる狙い撃ちが決まって、低い鼻がニョキニョキと鋭伸。読者の方への馬券プレゼント(単勝と3連単)が成功したのもうれしかった。

 さて、来年のドウデュースは再び世界へ打って出る予定だ。国内戦線を盛り上げる姿を見たいのはやまやまだが、彼は環境やレース条件に順応して変身できる賢者。昨年、泥にまみれた凱旋門賞に忘れ物を取りにいくのならば、エルコンドルパサーのように長期滞在で挑むのも面白いのではないか。4歳での有馬記念Vは父ハーツクライと同じ。記者は翌5歳シーズンを海外で勇敢に戦ったハーツに胸を打たれ、競馬界を志した。どんな結果になろうとも、応援するのみだ。

 (田井 秀一)

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