サンデーの“再来”予感させる新種牡馬ブリックスアンドモルタル

2024年1月24日 05:30

 今回から一年で最も早く行われる3歳ダートグレード競走となった17日の船橋ブルーバードC。ゴール前、3頭横一線の激戦を制したのは、最後に脚を使った牝馬アンモシエラだった。

 この春のダート路線の主役候補に名乗りを上げたアンモシエラはブリックスアンドモルタルの初年度産駒。サンデーサイレンス以来、29年ぶりに社台スタリオンステーションに導入された米年度代表馬である父は、サウジアラビアRC勝ちのゴンバデカーブースを筆頭に昨年の2歳戦で14頭の勝ち馬を出し、2歳リーディング9位にランクされた。驚異の新種牡馬、スワーヴリチャードのインパクトの前にかすんでしまったものの、ルーキーイヤーとしては十分に及第点だろう。

 ブリックスアンドモルタルはBCターフなどG1・5勝を全て芝コースで挙げたチャンピオンホース。その父ジャイアンツコーズウェイもG1・6勝の全欧年度代表馬で、血統的にも芝特化型と考えていたのだが、明け3歳の第1世代からはアンモシエラの他にも兵庫ジュニアグランプリ勝ちのイーグルノワールが出ている。個人的には大誤算のダート適性は、最初で最後のダート戦だったBCクラシックで小差2着となったジャイアンツコーズウェイの隔世遺伝かもしれない。

 思えばサンデーサイレンスは競走馬として一度も走らなかった芝コースで種牡馬として画期的な成功を収めた。その点においても種牡馬ブリックスアンドモルタルが“再来”となる可能性なきにしもあらずだ。 (サラブレッド血統センター)

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