第245回英国ダービー（芝12F6ヤード）が、6月1日にエプソムダウンズで行われる。最大のポイントは、1番人気が予想されるシティオブトロイ（父ジャスティファイ）の取捨だ。

　2歳だった昨年、3戦してG1デューハースト（芝7F）を含む無敗の3連勝を飾った同馬。ところが今季初戦のG1英二千ギニー（芝8F）では、圧倒的1番人気を裏切り9着に大敗した。同馬を管理するのは、このレースの歴代最多勝調教師（9勝）のA・オブライエンで、その彼が「これほど能力が高い馬でダービーに臨んだことは、これまで一度もない」と超強気なのだ。しかし、母トゥギャザーフォーエバーは2歳秋にG1フィリーズマイル（芝8F）を制した後、3歳春のG1英オークス（芝12F6ヤード）では7着に敗退。半兄ミリタリースタイル（父ウォーフロント）も、2歳8月にG3タイロスS（芝7F）を制したのが唯一の重賞制覇と、牝系の近しいところには、成長力と距離延長の双方に疑問符がつく因子が並んでいる。果たしてオブライエン師の10度目のダービー制覇なるか。レースの模様はグリーンチャンネルで生中継されるので、ぜひご覧いただきたい。　（競馬評論家）