【ジャパンC】コントレイル 有終Vへ一片の悔いなし!楽な手応えで坂路4F51秒0
2021年11月25日 05:30 バッチリ仕上がった。今週の「第41回ジャパンC」でラストランを迎える昨年の3冠馬コントレイルが24日、栗東トレセンで福永を背に追い切って坂路4F51秒0~1F12秒0と好時計をマーク。楽な手応えで脚力をアピールした。この一戦を最後に種牡馬入りが決定済み。ここまで、やり残したことはない。当日、結果を出すだけだ。25日に同レースの出走馬&枠順が決まり、26日に一部のウインズで金曜発売がある。
これが生涯最後の追い切り。コントレイルの背中には主戦・福永の姿があった。ピンと張り詰めた空気が漂う中、朝一番に坂路へ。馬場入り直後から人馬が呼吸を合わせ、最初の1F14秒1、13秒0と徐々にペースを上げていく。そこからギアを切り替え、父ディープインパクトの代名詞でもある“飛ぶ走り”をほうふつさせる軽やかなステップ。鞍上の手が動くことはなかったものの、ラスト2Fは11秒9、12秒0でグンと加速してゴール。4F51秒0とアッサリ好時計を刻んだ。
ストライドが大きく迫力、躍動感が凄い。4歳秋を迎え、ついに完成形と思える走りを披露。引き揚げてきた福永は「指示より速くなったけど無理はしていない。サラッとやって凄い時計が出る。リラックスしていて、いい走りだった。最後なので遅くなりすぎるより良かったと思う」とうなずいた。
矢作師も納得の表情。「動き出しから指示より速いなとは思ったけど抜群の動き。ほぼ馬なりで上がってからもケロッとしていた。最後なので悔いのない稽古ができました」と万全の仕上がりをアピールした。
約7カ月ぶりの天皇賞・秋はG1・5勝グランアレグリア、皐月賞馬エフフォーリアと3強が形成された中で1番人気に支持された。中団追走からメンバー最速の上がり3F33秒0で追い上げたものの2着。発馬のロスが勝ったエフフォーリアとの1馬身差につながった。矢作師は「レベルの高いレースでゲートのミスが命取りになった」と振り返る。狭いところに慣れるべく、この中間はプール調教を導入。「やれることはやりました」と課題克服に取り組み、能力全開を約束した。
一昨年9月のデビューから、ここが11戦目。惜しまれつつラストランを迎える。指揮官は「無敗で3冠を獲らせてくれたし、よくぞ矢作厩舎に来てくれたという思い。寂しくないと言えばウソになる。でも今は無事に競走生活を終えるのと勝つことの2つを成立させなければいけないと思っています」と気を引き締めた。クラシック戦線で勝ち続け、偉業を成し遂げた約2年2カ月の競走生活。その締めくくりには、やはり勝利が一番ふさわしい。昨年、菊花賞以来の勝利を目指し、チーム・コントレイルが奮い立つ。
《矢作厩舎の勢いが止まらない》矢作師は今年、中央46勝で現在、全国2位。地方で7勝、海外で3勝している。今月に入って6日の京王杯2歳Sでキングエルメスが勝ち、米国BC2鞍でラヴズオンリーユーとマルシュロレーヌが歴史的勝利、14日の福島記念はパンサラッサが逃げ切りV。凄い勢いでタイトルを積み重ねている。先週は厩舎所属の新人女性ジョッキー・古川奈が東京でグランスラムアスクを2歳未勝利勝ちに導き、左肩の手術から復帰後の初勝利を挙げるなど明るい話題があった。厩舎のいい流れに乗ってコントレイルがラストランに臨む。