【秋華賞】アートハウス 春と“動きの質”違う!実りの秋へCW馬なりでも手応え絶好

2022年10月13日 05:30

アートハウス

 血統も戦歴も関係ない。秋のG1追い切り企画「厳選超抜リスト」はとにかく、稽古の動きだけにこだわって1頭をプッシュする。「第27回秋華賞」の出走予定馬が12日、東西トレセンで追い切り、特別取材班のイチ推しはアートハウスだ。先週に続き、この日の栗東CWコースも文句なし。もともと時計は出る。ただ、動きの質が春とは違う。夏を越し、心身ともに成長。実りの秋を迎えた。

 仕掛ければ、はじけそうな手応えだった。アートハウスは中内田師が自ら手綱を取ってCWコース単走。テンから軽快にラップを刻んで直線へ。終始、馬なり。馬上で何もアクションを起こさなくてもグンと加速した。6F83秒6~1F11秒8でゴールへ。時計も動きも言うことなし。共同会見に臨んだ中内田師の表情から、そんな思いが伝わってきた。「まだ成長の余地はあるけど春に比べて精神的に落ち着いたし、体がたくましくなった。動きも力強くなっています」。春からの課題であった気持ちのコントロール。夏を越し、その課題が修正され、走りに余裕が生まれた。

 栗東CWコースは自動計測導入後、ラスト1Fの時計の出方が以前より格段に速くなった。先週マークしたラスト1Fの10秒9は、くしくもオークス1週前追いとぴったり一致。いくら自動計測でも10秒台はなかなか見られない。振り返れば3走前の忘れな草賞の1週前にもラスト1F10秒9で動いている。時計だけに注目するなら、いずれも超抜の伸び。元々その気になれば動く。オークスは7着に敗れ、川田は「調教の段階からバランスの難しい面を出していて、それが出た競馬だったと思います」と回顧。春の時点では、まだ中身が伴っていなかった。

 その点、オークス後の放牧を経て体が成長。休み明けの前走・ローズSはオークスと同じ体重(476キロ)でも全体に芯が入り、走りがぶれなくなった。だから同じ時計で動いても動きの質が違う。中内田師が「メンタル、フィジカルのケアをして、素晴らしい状態で帰ってきました」と言うように短期放牧を挟んだこの中間も調整過程に隙は感じられない。好走の反動はなく、まさに充実一途。捲土重来(けんどじゅうらい)を期してラスト1冠に臨む。

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