【秋華賞】スターズオンアース 仕上がり完璧!牝馬3冠確信、ルメール「G1で勝つ自信あります」
2022年10月13日 05:30 牝馬3冠最終戦「第27回秋華賞」(16日、阪神)の追い切りが12日、東西トレセンで行われた。史上7頭目の牝馬3冠を狙うスターズオンアースは2週続けてクリストフ・ルメール(43)を背に美浦Wコースで抜群の動き。軽やかな脚さばきから瞬時に加速し、ラスト200メートル11秒6を計時した。オークス後、両前脚の骨折が判明したが、不安を完全に払拭。ルメールは偉業達成へ、自信をのぞかせた。13日に出走馬が確定、14日に枠順が決定する。
3冠を確信させる伸びだ。2冠馬スターズオンアースをルメールがWコースのど真ん中へと導く。少し促す。スッ、シューン。並ぶ間もなく僚馬をかわし、ワープしたかのように前へ。1馬身半先着だ。ラスト200メートル11秒6は美浦のWコースで追い切った秋華賞メンバーで最速。ルメールは「今週でほぼトップコンディションになった。G1で勝つ自信があります」と絶賛した。
決して楽なメニューではなかった。僚馬ソーラーフレア(7歳3勝クラス)を4馬身追走。はるか遠くに思えた差を3角過ぎから徐々に詰め、ラスト強烈に伸びた。1000メートルは66秒3。ルメールは「3、4角でペースアップしてすぐに反応できた。状態は良さそう」。笑顔がはじけた。
勝負強さは際立つ。1冠目の桜花賞。直線で狭いところをこじ開けて突き抜けた。オークスは大外枠。それでも上がり最速33秒7で強襲。力の差は決定的だった。ルメールは「ラスト100メートルは楽勝だった。彼女の本当の能力を見せてくれた」と興奮気味に振り返る。
唯一の不安点はオークス快勝後に判明した両前脚の第1指骨剥離骨折。ただ、関係者は「軽度のもの。秋華賞に影響はない」と口をそろえた。高柳瑞師は「手術後の回復は順調。予定通り山元トレセンで調整できた」と改めて不安なしを強調。ルメールは「春よりパワーアップしたんじゃないか」と笑ってみせた。何とか間に合わせたのではない。引き続き、女王として受けて立つ。
18年にアーモンドアイで牝馬3冠を達成したルメール。「東京2400メートルとは違う。できればいいスタートをして前の方にいたい」と舞台に関して若干の警戒感を示した。それでも「彼女にとって大きな挑戦。3冠、獲りたいですね」。名手の眼光が鋭くなった。自信はあるが、そこに油断はない。
《ぶっつけ組優勢》過去10年のオークスからの直行組の成績は別表の通り。ここ4年、ぶっつけ組が優勝している。18、20年はアーモンドアイ、デアリングタクトが3冠を達成。以前のような前哨戦経由でなく、外厩施設の充実もあって直行が主流となっている。スターズオンアースにとって追い風となるデータだ。