【川崎・関東オークス】砂適性光るキズナ産駒クリスティ

2020年6月10日 05:30

 川崎2100メートルで行われる関東オークスは3歳牝馬限定の国内最高賞金ダート競走。ひと足早くUAEで“オークス”に挑戦したセラン、12年の優勝馬アスカリーブルとの“母子制覇”が懸かる船橋のアクアリーブルなど、今年も中央、地方のダートで実績を積み上げた馬が一堂に会した。そんな中で血統面から注目されるのがキズナ産駒クリスティ。デビュー8戦目で初めてのダート出走である。

 先週末現在、キズナは17年産の現3歳世代限定リーディングでディープインパクトに次ぐ2位。3位エピファネイアには2億円以上の差をつけているのだが、これは産駒のダート適性の差でもある。JRAダート戦における通算勝利数はエピファネイアの7勝に対してキズナは27勝。芝で振るわなくてもダートでの再チャレンジが可能なことがキズナ産駒のアドバンテージだ。ましてクリスティの場合、芝の重賞やリステッド競走でも好走歴のある2勝馬。この父の上級馬では北海道2歳優駿勝ちのキメラヴェリテが初芝の若葉Sで2着に逃げ粘り、逆パターンのコンバートを成功させている。潜在的な二刀流血統ともいえるだろう。

 クロフネ×フジキセキという母ホワイトアルバムは5年前の覇者ホワイトフーガと同配合。フジキセキの父にしてキズナの祖父でもあるというサンデーサイレンスの近交は2冠牝馬デアリングタクトと共通する。ダート部門のオークスも「サンデーサイレンス3×4」という可能性は十分だ。(サラブレッド血統センター)

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