【秋華賞】かすかな不安材料…デアリングタクト牝馬3冠へ「3×4の呪縛」は解けるか

2020年10月14日 05:30

 今年の秋華賞は、25回目にして初めて不敗の3冠達成が懸かる舞台となる。偉業に挑むデアリングタクトは“元祖モンスター”サンデーサイレンス3×4のインブリードを持つ初めてのクラシックホース。配合面からも画期的な存在であって不思議ではないのだが、実はこの「3×4」が牝馬の3冠目においては、かすかな不安材料でもある。

 桜花賞、オークスを制して秋華賞に出走した馬は過去に5頭。そのうち03年スティルインラブ、10年アパパネ、12年ジェンティルドンナ、18年アーモンドアイは首尾よく3冠牝馬となったのだが、唯一、2位入線後3着降着となり、2冠に甘んじたのが09年のブエナビスタ。統計的には5分の1の失敗例となってしまった同馬は英3冠馬ニジンスキー「3×4」の近交馬だったのである。

 さかのぼれば87年、当時は3歳限定戦だったエリザベス女王杯で牝馬3冠を逃したマックスビューティも大種牡馬ナスルーラの「3×4」。75年に3冠を確実視されながら、故障のため当時のビクトリアCに出走できなかった2冠牝馬テスコガビーも同じくナスルーラの「3×4」だった。

 ちなみにオルフェーヴルはノーザンテーストの「3×4」。見方を変えれば最新の3冠配合となる“3×4の呪縛”だが、さて、単なるオカルトか、あるいは歴史は繰り返すのか。悩ましいところだ。(サラブレッド血統センター)

特集

この記者のコラム

他の記者のコラム