【菊花賞】父子3冠は世界でもファンタジー

2020年10月21日 05:30

 歴代3冠馬の産駒で皐月賞と日本ダービーを勝った馬はシンボリルドルフ産駒のトウカイテイオーだけで、そのトウカイテイオーは故障のため菊花賞にエントリーできなかった。つまり今回のコントレイルは日本競馬史上初めて父子2代の3冠に挑むことになるわけだ。

 日本競馬史上初めて、と書いたが、実のところ3冠体系の範を取った英国では種牡馬としての3冠馬が3冠馬を出すどころか、2000ギニーとダービーの2冠馬を出したケースもない。1918年に3冠を達成したゲインズボローが33年のダービーとセントレジャーの2冠を制した(2000ギニーは不出走)後の大種牡馬ハイペリオンの父となったのが唯一のニアミスといえるだろう。ちなみにコントレイルの父ディープインパクトは、そのハイペリオン2×3の超近交馬ハイライトの玄孫である。

 「トリプルクラウン」という概念の発祥の地でもある米国では、ギャラントフォックス(30年)とオマハ(35年)によって記録されたのが最初で最後の父子3冠。種牡馬として最も成功した米3冠馬(77年)シアトルスルーも産駒のスウェイルは2冠(ケンタッキーダービー、ベルモントS)止まりだった。世界の競馬史においてもファンタジーのような父子2代の3冠達成。いよいよそれが現実になろうとしている。 (サラブレッド血統センター)

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