【スプリンターズS】香港馬ラッキースワイネス父系に日本適性
2025年9月24日 05:30
香港馬ラッキースワイネスのプレレーティングは、春秋スプリントG1制覇とともにレース史上初の父子2代制覇が懸かるサトノレーヴの119ポンドに次ぐ118ポンド。これは61キロを背負って3馬身差4着に敗れた5月シャティンヴァーズが評価対象で、前走クラス1ハンデは無敵の短距離王カーインライジングに4キロのハンデをもらった57キロで2馬身半差2着。23年世界ランク芝距離区分S最高値となる125ポンドを獲得したスピードスターもピークを過ぎた感は否めないが、血統面には侮りがたいファクターがある。サイヤーラインに潜むタフネスと日本適性だ。
5代父サートリストラムはアイルランド産のB級競走馬だったが、シックル&ハイペリオンの歴史的兄弟サイヤーの同族という血統を買われてニュージーランドで種牡馬となり、豪チャンピオンサイヤーに6回輝くなど成功を収めた。その最良後継となったG1オーストラリアンギニー勝ちの4代父ザビールも豪チャンピオンサイヤー。3代父オクタゴナル、祖父ロンロは父子2代豪年度代表馬で、前者はG1・10勝を含む28戦14勝、後者はG1・11勝を含む35戦26勝という戦歴を残した。ちなみにロンロは10~11年シーズンに豪年度代表馬として異例の豪チャンピオンサイヤーとなっている。ある意味で競馬と生産が分業化されたオセアニア圏では珍しく、3代にわたり名馬から名馬のリレーが成立してきた父系である。
父スワイネスはデビュー4連勝のあと強敵相手に限界を見せたが、G1ランドウィックギニーで2着となった。この父の母の父シングスピールは96年ジャパンC優勝馬。英、カナダ、UAE、日本と世界4カ国の大レースを制した強豪の“越境力”が前王者の復権を後押しするかもしれない。 (サラブレッド血統センター)