“ダイヤモンド全弟”サトノジェネシスが大出世も タニノフランケル名牝ウオッカの“隔世遺伝力”に期待

2025年8月27日 05:30

 【新種牡馬紹介(11)】
 シリーズ最終回はサプライズの可能性を秘める良血種牡馬をリストアップした。

 ヴァンゴッホ(7歳、米国産、産駒数58頭)は父が米3冠馬アメリカンファラオ、母が英オークス馬イマジンというハイブリッドのクラシック血統。仏G1クリテリウムアンテルナシオナルの圧勝が評価されて2020年の全欧2歳牡馬チャンピオンに選ばれた。母国以上に日本の競馬環境に適合している父の特異な属性は、代替わりしても不変だろう。ダートやクラシック路線での長打もあり得る。

 タニノフランケル(10歳、愛国産、産駒数33頭)は両親合わせてG1級17勝。牡に生まれた時点で種牡馬入り当確レベルのエリート血統だが、競走馬としても小倉大賞典2着などオープンで実績を残した。父の怪物フランケルは「種牡馬の父」としても勢力を拡大中で、日本でもモズアスコットが初年度から重賞級を連発。名牝ウオッカの“隔世遺伝力”にも期待したい。

 アスクピーターパン(7歳、英国産、産駒数10頭)もフランケル後継。母はスプリンターズS優勝、ヴィクトリアマイル連覇のストレイトガールで、不出走ながら血統的潜在能力を見込まれて種牡馬登録された。ほぼオーナーの自家生産用だが、このような趣味的な馬産から掘り出し物が出現するケースはままある。

 サトノジェネシス(9歳、安平産、産駒数23頭)はサトノダイヤモンドの全弟で、4戦3勝で底を見せずに種牡馬入り。ディープインパクト後継ではシルバーステートが同様の境遇から大出世を遂げた。それなりの産駒数を確保した現2歳世代の動向に注目したい。 (サラブレッド血統センター)

特集

この記者のコラム

他の記者のコラム