【ジャパンC】サンデーサイレンスの遺伝力がもたらす歴史的一戦
2020年11月25日 05:30 コントレイルの3冠達成によって日本の競馬には史上初めて3頭の「3冠馬」が現役馬として併存することとなり、この3頭は最年長アーモンドアイのラストランという千載一遇のチャンスで一堂に会する。単純計算では決してオーバーでなく天文学的な確率となる“3冠トリオ対決”は、各馬が血統表内にそれぞれの形で共有する大種牡馬サンデーサイレンスの強力な遺伝力がもたらした確率変動の象徴だろう。
コントレイルは種牡馬サンデーサイレンスの最高傑作にして最良の後継でもあるディープインパクトの産駒。偉大な父の死後、初めて巡ってきたクラシックイヤーで世界の競馬史に残る3冠父子リレーを成し遂げた。広義ではサイヤーラインとしてのサンデーサイレンス系の未来を担う存在だ。
アーモンドアイの母フサイチパンドラは、ディープインパクトより1歳下のサンデーサイレンス最終世代。この母は06年エリザベス女王杯でサンデーサイレンス牝馬最後のG1ウイナーとなった。アーモンドアイは13年に及ぶ長期政権を築いた「母の父サンデーサイレンス」の集大成といえる。
デアリングタクトは祖母デアリングハートの父にして、父エピファネイアのブルードメアサイヤー・スペシャルウィークの父でもあるサンデーサイレンス3×4の近親交配馬。“血中濃度“は「父の父」「母の父」の25%に及ばない18・75%だが、これはいわゆる奇跡の血量として古くから継承されてきたインブリードの黄金比である。
三者三様にサンデーサイレンス血脈の歴史を背負って戦う今回のジャパンC。個人的な結論はすでに出ているが、それは予想ではなく理想というべきものかもしれない。 (サラブレッド血統センター)
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