フェブラリーSで最重要血脈は「ストームキャット」

2021年2月17日 05:30

 今回のフェブラリーSは優先出走権のある根岸S勝ち馬と東海S勝ち馬、プレレーティング上位5頭、さらに収得賞金順9頭の出走予定馬16頭全馬の父馬が異なる。もともと父馬単位の多様性が日本のダート競馬の特質で、血統的な大混戦は通常モードというべきだろう。ちなみにG1昇格後四半世紀が経過してなお複数の優勝馬を出した種牡馬はゴールドアリュール(10年エスポワールシチー、14、15年コパノリッキー、17年ゴールドドリーム)のみである。

 16頭の父馬の中で異彩を放つのはレッドルゼルの父ロードカナロア。産駒のJRAダートG1出走は昨年のミッキーワイルド(16着)以来2度目で、レッドルゼルが勝った前哨戦の根岸Sでは穴人気になった芝の大物ステルヴィオが10着に終わっている。現在リーディング2位の近未来のチャンピオンサイヤーもダートサイヤーとしての能力は半信半疑というのが実情だが、フェブラリーSに関しては血統面に強力なアドバンテージもある。母の父として内蔵するストームキャットだ。

 昨年の優勝馬モズアスコットの母の父の父、一昨年のインティの祖母の父の父、5年前の覇者モーニンの3代父であるストームキャットは、00年代からさまざまな形で存在感を示してきたフェブラリーSの最重要血脈。「父の母の父」としても影響力に変わりはないだろう。 (サラブレッド血統センター)

特集

この記者のコラム

他の記者のコラム