タイムフライヤー 潜在的芝適性×芝G1馬

2022年2月16日 05:30

 発馬直後に芝を横切る東京ダート1600メートルではしばしば潜在的な芝適性が勝負の鍵になる。昨年2着のエアスピネルは芝のマイル重賞3勝、G1・2着2回の実績があった馬で、一昨年の覇者モズアスコットは安田記念との“ツーウエーG1制覇”だった。桜花賞馬としては18年5着のレッツゴードンキ以来の参戦となるソダシにとっては、父クロフネがレコード勝ちしたコース。血統的にも大敗に終わった前走から条件は好転している。

 ソダシの陰に隠れているが、今年はもう1頭、芝G1馬のエントリーがある。一昨年の5着馬でもあるタイムフライヤー。G1昇格元年の17年ホープフルS優勝馬である。

 東京新聞杯のイルーシヴパンサー、共同通信杯のダノンベルーガと、産駒が2週連続で東京コースの重賞を制した父ハーツクライは今回、スワーヴアラミスとの2頭出し。この父はウッドウォードSのヨシダで北米ダートG1を初めて制した内国産サイヤーでもある。“ゾーン突入”を思わせる現在の勢いには引き続き警戒が必要だろう。

 母のタイムトラベリングは去る10日、24歳で死んだダートの名馬タイムパラドックスの全妹。伯父は結果的に現役最終戦となった8歳時のJBCクラシックを快勝したタフネスの権化だった。7歳を迎えたタイムフライヤーも余力は十分。手向けの激走があっていい。 (サラブレッド血統センター)

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