落雷火災…北米トップトレーナーの悲劇

2022年3月10日 05:30

 北米のトップトレーナー、ウェスリー・ワード(54)がケンタッキー州のレキシントンに持つ厩舎で、6日のお昼過ぎに火災が発生。3頭のサラブレッドが命を落とすという悲劇があった。

 火災の原因は落雷で、地元の消防によると、屋外の電線に落ちた雷が厩舎内に伝導して引火したという。死去した1頭は、09年にLRウインザーキャッスルSを制し、ワード師にロイヤルアスコットにおける初勝利をもたらしたストライクザタイガー(セン15)だった。同馬は引退後、厩舎所属のポニーとなり、ワード厩舎の欧州遠征に必ず帯同。アンドラフテッドによるG1ダイヤモンドジュビリーS制覇(15年)などに貢献した。今年6月にも英国遠征の予定があり、その前に、傷めていた飛節の治療を行うために立ち寄ったケンタッキーの厩舎で、火災に遭遇することになった。実はワード師は、わずか4週間前の2月8日に、同じケンタッキー州にある自宅に泥棒が入り、ロイヤルアスコットでエリザベス女王から授かったトロフィーなど12点の盗難にあったばかりだった。ワード師は、馬を失ったことはトロフィーをなくしたことより100倍悲しいとコメントしている。(競馬評論家)

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