【天皇賞・春】テーオーロイヤルSS3×4の賜物

2022年4月27日 05:30

 今年の天皇賞出走予定馬を父系単位で色分けすると、最大勢力は直子と孫世代で7頭を擁するステイゴールド系で、これに続くのが6頭のキングカメハメハ系。産駒が3連勝中のディープインパクトは直子1頭、孫1頭と、数の上では劣勢となっている。牡牝の第1冠で鮮明になった加速度的な血統更新の流れが古馬部門にも波及してきたということなのだろう。

 過去10年で直子3頭が4勝のステイゴールド系に関しては円滑な世代交代という見方もできるのだが、キングカメハメハ系の台頭は少々事情が違う。キングカメハメハの父系は現存するサイヤーラインの90%以上の父祖であるファラリスから分岐した1924年生まれのシックルにさかのぼる。代を経てネイティヴダンサー系、ミスタープロスペクター系と称されてきたこの父系からは、80年を超える春の天皇賞の歴史でいまだに優勝馬が出ていないのである。

 4連勝中のテーオーロイヤルはキングカメハメハ後継リオンディーズの初年度産駒。この父の母の父スペシャルウィークは99年の優勝馬で、母メイショウオウヒの父マンハッタンカフェは02年の優勝馬にして11年の優勝馬ヒルノダムールの父でもある。前走で示した長距離属性は「春の天皇賞馬」を経由したサンデーサイレンス3×4のインブリードの賜物(たまもの)。“史上初”に挑む資格は十分だ。(サラブレッド血統センター)

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