【安田記念】ダノンザキッド ジャスタウェイ産駒初出走で波乱、父子制覇の共通項

2022年6月1日 05:30

 今年の安田記念には史上初めて、3頭の歴代優勝馬が種牡馬として産駒を出走させる。ダイワメジャー(07年)、ロードカナロア(13年)、ジャスタウェイ(14年)。いずれも安田記念以外に複数のG1を制した名馬だ。

 グレード制導入の84年にG1格付けされた安田記念では、過去に2組の父子が2代制覇を達成している。ニホンピロウイナー(85年)とヤマニンゼファー(92、93年)、エアジハード(99年)とショウワモダン(10年)父子。ちなみに92年のヤマニンゼファーは単勝11番人気で、ショウワモダンは単勝8番人気だった。

 波乱のトリガーとなった“父子2代”にはもう一つの共通項がある。どちらも父の産駒として初の安田記念出走だったこと。何事も最初が肝心ということだろう。その意味で注目すべきはダノンザキッド。種牡馬ジャスタウェイが3世代目にして初めて送り込んだ父子制覇の切り札である。

 8年前、グランプリボスとの壮絶な追い比べで“世界チャンピオン”の貫禄を示した父ジャスタウェイのパフォーマンスは、今なお強烈な印象を残している。父系祖父ハーツクライ、ひいてはその母の父トニービン由来の東京適性は日本ダービーでも実証されたばかりだ。母の父の父デインヒルは代を経ても影響力を失わない安田記念の穴血脈。G1ホース復活のお膳立ては整っている。(サラブレッド血統センター)

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