【スプリンターズS】今年も続く3歳旋風 年長馬撃破の共通項にウインマーベル合致
2022年9月28日 05:30 昨年のピクシーナイトは3歳馬として07年アストンマーチャン以来14年ぶり、3歳牡馬としては98年マイネルラヴ以来、23年ぶりのスプリンターズS制覇だった。20年来の統計的劣勢を覆した同馬の勝利は、マル外全盛の90年代に猛威を振るった3歳馬復権のターニングポイントとなるように思う。
年長馬を撃破した前記3頭の3歳馬には血統的な共通項がある。ピクシーナイトの母の父キングヘイローは09年ローレルゲレイロ、アストンマーチャンの母の父ウッドマンは95年ヒシアケボノ、マイネルラヴの母の父リイフォーは89年(当時G2)ウィニングスマイルと、いずれも母の父が父として優勝馬を出した実績があったことだ。ウインマーベルは母の父フジキセキが15年の優勝馬ストレイトガールを、テイエムスパーダは母の父アドマイヤコジーンが前記アストンマーチャンと14年のスノードラゴンを出している。今年の場合、この2頭が先例に合致した3歳馬ということになるわけだ。
特にウインマーベルは母のコスモマーベラスが05年紫苑S、06、07年ターコイズSと、現G3のオープン特別を3勝した中山巧者だった。父のアイルハヴアナザーは16、17年連覇のレッドファルクス、18年のファインニードルと同じフォーティナイナー系。意外にも初体験の中山芝1200メートルでパフォーマンスを上げてくる可能性大だろう。(サラブレッド血統センター)
◇藤井 正弘(ふじい・まさひろ)1962年(昭37)2月17日生まれ、千葉県出身の60歳。オグリキャップがデビューした87年にサラブレッド血統センター入社。以来、一貫して「競馬四季報」編集に携わる傍ら、血統コラムニストとして「優駿」「週刊競馬ブック」などに執筆。