【大阪杯】ヴェルトライゼンデ 初コース不問のDNA

2023年3月29日 05:30

 大荒れだった先週の高松宮記念でも昨年来のG1トレンドの「2代制覇」は継続された。当欄は2択に失敗したわけだが、今週は心配無用。出走予定馬の中で歴代優勝馬の産駒はヴェルトライゼンデのみ。当時G2だった09年の覇者ドリームジャーニーの産駒である。

 全弟オルフェーヴルが3冠を達成した翌12年から供用されたドリームジャーニーは、実働8年の種牡馬生活で168頭の血統登録産駒を得た。2歳王者にしてグランプリホース、3冠馬の全兄という血統面のプレミアムからしても年平均21頭の産駒は少ないが、これは受胎率が低かったため。加えて16年種付けシーズン中にケガを負った影響もあった。それでもヴェルトライゼンデの他にミライヘノツバサ(ダイヤモンドS)、スルーセブンシーズ(中山牝馬S)と2頭のグレード勝ち馬を出したのだから、種牡馬としての潜在能力は今年のドバイワールドCで世界に見つかってしまった全弟に比肩するレベルだったと考えられるだろう。

 ドリームジャーニーの4年後に“兄弟制覇”を果たしたオルフェーヴルは、ひと足先に20年のラッキーライラックで“父子制覇”を達成している。この兄弟の母の父メジロマックイーンは30年前の優勝馬。ヴェルトライゼンデの最重要テーマとなる初コースの立ち回りは先祖代々、DNAに刷り込まれている。 (サラブレッド血統センター)

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