【小林】追い続けた一頭 打ち続けた重い印が実を結んだ

2024年1月25日 10:00

 木曜のテーマは競馬。前週に会心ヒットを放った記者が、的中のプロセスを振り返る。今週は大阪本社予想を務める小林篤尚が登場。東海S3連単を◎○☆と、ほぼ本線で仕留めた。勝ったウィリアムバローズの素質にほれ込み、ずっと追い続けた執念を実らせ、的中へと結びつけた。

 思いがかなった。ウィリアムバローズは追い切りを見ても、沈み込むようなフォームで駆ける。走り方が個人的に好みのタイプ。大阪版の本社見解には「オープンに上がった時から重賞級と注目していた」と書いた。前走でも「いつか重賞を獲れる」とのくだりを入れて、重い印を打ち続けた。オープン昇格から1年9カ月余りで重賞初V。今回は“思い入れ”が◎に突き動かしたといってもいい。

 前走のみやこSは内容十分の3着だった。前に行くタイプがそろい、ダート1800メートルながらペースは速まる見立て。先行を身上とするウィリアムバローズにとっては展開的に厳しい顔触れだったが、控える形で馬券に絡んだ。差すレースができたのは収穫。馬体重も10キロ増え、自己最高の504キロ。勝ち馬から0秒6差と離れてはいたが、2着とは3/4馬身差。勝ったセラフィックコールの末脚に屈しただけで、悲観はなかった。

 レース当日は、スタートを間近で見られるゲートのそばで観戦した。今回のメンバーなら、前走よりは位置を取れると思っていた。展開も悪くない。舞台も一緒、同じ14番枠もいい。出脚がついて、スッと2番手に。3角ではや先頭。直線で1番人気オメガギネスが外から迫ってくる。ちょうど目の前でウィリアムバローズが力強く伸び返す。馬券にアクセントをつけていたのが単勝だったので、そこでひと安心。予想も◎○☆で的中できた。

 走破タイム1分49秒2も優秀、持ち時計を更新した。昨春の京都リニューアル以来、この舞台で1分50秒を切るVタイムは初めて。時計面からも、まだまだ楽しみは持てる。昨秋の京都は脚抜きのいいダートになっても時計がかかる現象が起きていたが、先週はセオリー通りタイムは速かった。

 乗れている鞍上もいいスパイスになった。坂井は年明けからの活躍ぶりが目立つ。京都で早くも12勝、とりわけメイン11Rで【2・2・0・1】と猛アピール。今週も土曜(27日)11R舞鶴Sはレッドプロフェシー、翌日の重賞シルクロードSはアグリと有力馬に騎乗する予定で目が離せない。 (小林 篤尚)

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