米3冠牡牝“主役”がNo.1決定戦に出られない?

2024年2月15日 05:30

 10日に米サンタアニタで行われた3歳牝馬のG3ラスヴァージネスS(ダート1600メートル)は、ボブ・バファート厩舎のキンザ(父カルペディウム)が快勝。無敗で重賞初制覇を飾った。このレースには、前走G3サンタイネスSを含めデビューから2連勝を飾っていたコピオンも出走しており、2頭の一騎打ちと目されていたが、スタートから先手を取ったキンザが、コピオンに2馬身という決定的な差をつけて逃げ切り勝ちを果たした。

 本来ならキンザは5月3日に行われるG1ケンタッキーオークスの有力候補となるところだが、実はキンザには同レースの出走資格がない。21年のケンタッキーダービーで、1位入線したメディーナスピリットから禁止薬物が出て失格処分となって以来、主催者のチャーチルダウンズ競馬場はバファート厩舎所属馬の出走を認めていないからだ。実は、3日に行われたG3ロバートB・ルイスSを7馬身半差で制し、無敗3連勝を飾ったナイソス(牡3)も、バファート師の管理馬。同じくケンタッキーダービーへの出走が不可能となっている。米国の3歳No・1を決するケンタッキーダービー&オークスだが、今年は世代の最強馬を欠く顔触れになる恐れが強くなっている。 (競馬評論家)

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