【坂田】見込んだ「重賞級馬」追いかけた1年 見つけた勝利の傾向とは?
2024年3月14日 10:00 木曜のテーマは競馬。前週に会心ヒットを放った記者が、的中へのプロセスを振り返る。今週は馬券への情熱は大阪本社でも随一の坂田高浩が登場。土曜中山メイン「中山牝馬S」の3連単10万6930円をゲット。1年前に「重賞級」と見込んだ馬が、紆余(うよ)曲折を経てついに重賞Vを果たした。追いかけて理解して、買い時を見極める執念が実を結んだ。
勝ち馬のコンクシェルを重賞級の器だと意識したのはちょうど1年前。23年アネモネSで13番人気2着に奮闘し、テレビ画面に前のめりになったことを思い出す。清水久厩舎の同世代の牝馬では、前週のチューリップ賞で鼻差2着だったコナコーストに注目が集まっていたが、富松助手が「この馬もいいですよ」と口にしていたのがコンクシェルだった。当時は年明けの平場1勝クラスで9頭立て9着。目立つ戦績ではなかった。どことなく意識しつつも中山マイルの大外枠だったことで無印に…。初ブリンカーの効果もあって能力の片りんを示した。
ただその後は足踏みが続いた。桜花賞15着を挟み、1勝クラスでも勝ち切れない競馬が続いたが、昨夏にゲート裏でブリンカーを着用するようにした陣営の工夫もあり2連勝。ともに5馬身差の圧勝だった。しかしそこから3戦連続2桁着順。買い時が難しいが、傾向はある。気分良く運べるかどうかが鍵だ。
中山牝馬Sはハナを切れるメンバー構成だったことが◎を決めた最大の理由。昨夏の連勝時のように逃げの戦法が一番合う。2戦連続のコンビとなった岩田望が、ハンデ53キロを味方にハナを主張し、道中で後続に並びかけられてももうひと伸び。長くいい脚を使っていた。今後も展開に注文がつくにしても侮れない存在だ。
2着ククナは大崩れがほとんどない堅実派。3着シンリョクカは近走で結果が出ていなかったが、調教映像を見れば無印にするのは怖かった。何より一昨年の阪神JF2着馬。当時、まだ単勝オッズ2・6倍もついていた◎リバティアイランドを鉄板とみて馬券をしこたま購入していた。無念のヒモ抜けで馬単9980円の高配当に頭を抱えたのを忘れることはできない。
競馬は「記憶のスポーツ」といわれる。予想でもがき続けた積み重ねが記憶となって実を結ぶ時もある。だからやめられない。この気持ちを忘れず週末の予想に挑むことにしよう。
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