芝と砂の“二刀流”見込めるモズアスコット 怪物的名馬の全弟ノーブルミッション

2024年8月7日 05:30

【2歳新種牡馬紹介(7)】
 ノーブルミッション 2009年生まれ 鹿毛 英国産 父ガリレオ、母カインド(母の父デインヒル)英国、アイルランド、フランス、ドイツで21戦9勝 主な勝ち鞍は英チャンピオンS、サンクルー大賞、タタソールズゴールドC 2歳産駒85頭。

 “フランケルシュタイン”と称された怪物的名馬フランケルの1歳違いの全弟。兄との競合を避けるかのように2400メートル路線を進み、長くG3級で停滞していたが、偉大な兄が走らなかった5歳時に急成長。隔年の兄弟制覇となった英チャンピオンSなどG13勝を含むグレードレース6勝を挙げ、14年カルティエ賞全欧古馬チャンピオンに選出された。米国供用時の産駒は昨年のBCターフスプリント優勝馬ノーボールズを筆頭に芝の上級馬が目立つが、ダートでもG1・2勝の強豪コードオブオナーが出ている。日本びいきで知られる全兄を思えば、代役として理想的な舞台設定を与えられたともいえるだろう。

 モズアスコット 2014年生まれ 栗毛 米国産 父フランケル、母インディア(母の父ヘネシー)JRA、岩手、南関東、香港で26戦7勝 主な勝ち鞍は安田記念、フェブラリーS、根岸S 2歳産駒105頭。

 こちらは国内初のフランケル後継種牡馬。単勝9番人気だった4歳時の安田記念を当時のコースレコードタイで制し、ダートに転じた6歳時に根岸S、フェブラリーSを連勝。芝とダートで東京1600メートルG1に優勝した初めての馬となった。英国からのリモートワークで本馬の他にもソウルスターリング、グレナディアガーズのG1馬2頭を出した父フランケルは、日本に不向きとされたガリレオ系の進化形。種牡馬としても二刀流を貫く遺伝力を見込めるはずだ。(サラブレッド血統センター)

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