ナダル 芝ダート兼用クラシック狙える、シスキン 日本競馬への適応力ありそう

2024年8月21日 05:30

 【2歳新種牡馬紹介(9)】
 ナダル 2017年生まれ 鹿毛 米国産 父ブレイム、母アセンディングエンジェル(母の父プルピット)北米で4戦4勝 主な勝ち鞍はアーカンソーダービー、レベルS、サンヴィセンテS 2歳産駒98頭。

 新型コロナウイルス感染症拡大が世界の競馬スケジュールにも大きな影響を及ぼした20年のクラシック世代。3歳1月のデビューから4戦全勝でG1ウイナーに上り詰め、9月に延期されたケンタッキーダービーの最有力候補と目されていたが、調教中の骨折で競走生命を絶たれた。ゼニヤッタの20連勝を阻んだBCクラシックで世紀の敵役となった父ブレイムは、クリスエス経由のロベルト父系。母の父がシアトルスルー系プルピットという血統構成はシンボリクリスエスのリメイクを思わせる。種牡馬としては芝、ダート兼用の多機能型。自身が断念したクラシックを狙える産駒も現れるだろう。

 シスキン 2017年生まれ 鹿毛 米国産 父ファーストディフェンス、母バードフロウン(母の父オアシスドリーム)愛・英・仏・北米で8戦5勝 主な勝ち鞍は愛2000ギニー、フィーニクスS、レイルウェイS 2歳産駒7頭。

 コロナ禍前夜の19年の2歳戦を4戦全勝で締めくくり、6月に順延された3歳初戦の愛2000ギニーも完勝。アイルランド国内では無敵の強さを誇った。その後は異世代相手に凡走が続いたが、能力以前に遠征競馬に難があったと解釈したい。希少価値の高いファピアノ系の芝G1ホースで、特に父系祖父アンブライドルズソングの日本競馬への適応力と影響力には定評がある。アクシデントで交配を中止した供用初年度の血統登録産駒はわずか7頭。その中から新馬勝ち馬が出たのはさすがだが、統計記録面での真価発揮は第2世代からということになる。
 (サラブレッド血統センター)

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