レガーロ初年度産駒2頭で異例の“下克上”

2024年9月18日 05:30

 15日のラジオ日本賞で通算5勝目を挙げたアウトレンジはレガーロの初年度産駒。この父の現4歳世代は他に岩手所属の地方3勝馬エムティヒビキのみで、わずか2頭の血統登録産駒からJRAオープン特別勝ち馬が現れたことになる。その昔、ダンディルート後継の名バイプレーヤー、トウショウゴッドが87年産世代唯一の血統登録産駒から朝日チャレンジCなど重賞5勝のヌエボトウショウを出した例があるが、戦国時代とされる昨今の種牡馬マーケットにおいても異例の“下克上”といえるだろう。

 プリークネスSなどG13勝を挙げた06年米3歳牡馬チャンピオン、バーナーディーニの持込馬であるレガーロは、通算成績12戦2勝。15年全日本2歳優駿2着、16年レパードS3着と、世代限定ダートグレード競走で上位争いを演じたが、異世代相手の条件戦では振るわず、19年からレックススタッドで種牡馬入りした。種付料は格安の20万円。種付け頭数は初年度が4頭で、以後も6頭、1頭、2頭、3頭と、採算ベースに届かない水準で推移してきた。アウトレンジはその名の通り、射程圏外からの一撃だったというわけだ。

 レガーロは米3冠馬シアトルスルーの3×4。加えてこのインブリードを形成する父系祖父エーピーインディと母の父レモンドロップキッドがいとこの間柄(両馬共通の祖母ラッシーディア4×4)でもある。後講釈になるが、この配合面の意匠が種牡馬としての潜在能力に少なからず寄与しているように思う。 (サラブレッド血統センター)

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