【阪神JF】「BMSモアザンレディ」魅力のメイデイレディ
2024年12月4日 05:30 今年の阪神ジュベナイルフィリーズには史上初めて外国調教馬メイデイレディが参戦する。前走のBCジュベナイルフィリーズターフは欧州2歳牝馬チャンピオンに選出されたレイクヴィクトリアの0秒3差2着。ダートがメインの北米調教馬ということを差し引いても、相当な実力の持ち主であることは間違いない。
メイデイレディの血統で最も注目すべきは母の父モアザンレディ。ダート7FのG1キングズビショップSなど現役通算17戦7勝、フサイチペガサスが優勝した00年ケンタッキーダービーの4着馬でもある同馬は、種牡馬としては同じヘイロー系のサンデーサイレンス的な芝適性を前面に押し出し、シャトルサイヤーとしてG1馬を量産した。のちに菊花賞馬ドゥレッツァの母となるニュージーランドオークス優勝馬モアザンセイクリッドもその1頭。北米でもBCマイルなどG14勝のユニ、クイーンエリザベス2世チャレンジカップSなどG16勝のラッシングフォールと、エクリプス賞芝牝馬チャンピオンを連発。国境不問の成功を収めた芝G1血統である。
母の父としてのモアザンレディは、前記ドゥレッツァに加えフェブラリーS連覇のカフェファラオ、シンザン記念のノーブルロジャー、キーンランドCのナックビーナスと、さほど多くないサンプルから4頭のJRA重賞勝ち馬を出している。さらにBCジュベナイルターフ勝ちのストラクター、BCジュベナイルターフスプリント勝ちのフォーウィールドライブと、北米芝2歳戦の活躍馬が相次いで種牡馬として輸入されたのも「BMSモアザンレディ」の日本適性と早熟性への信頼度の表れだろう。
自国では恐らく調教でも経験のない右回りなど、アウェーでの戦いには相応のハンデを覚悟しなければならないが、少なくとも血統的な不安材料はない。史上初めて日本の2歳G1を走る「G1・2着馬」のパフォーマンスに注目しよう。 (サラブレッド血統センター)