第1世代が大活躍のナダル産駒に今年も注目

2025年1月29日 05:30

 4月5日のドバイワールドカップデー諸競走の予備登録馬が発表された。日本調教3歳馬にとって事実上のケンタッキーダービー最終予選となるUAEダービーには46頭(重複登録を含む)のエントリーがある。血統面から注目しておきたいのは昨年のチャンピオンファーストシーズンサイヤー、ナダルの産駒。22日のブルーバードCでワンツーを決めたメルキオル、クァンタムウェーブを筆頭に種牡馬単位最多となる7頭の大勢力である。

 種牡馬ナダルはルーキーイヤーの昨年、JRA2歳ダート戦で27勝を挙げた。これは18年ヘニーヒューズの25勝を更新する種牡馬単位のJRAレコードだった。年が明けてからも勢いは衰えず、前記UAEダービーにも登録があるクレーキングは、25日の中山3歳1勝クラス(ダート1800メートル)を当日古馬2勝クラスの初霞賞より0秒8速いタイムで大勝。さらに数少ない地方デビュー馬からも浦和のニューイヤーC勝ち馬ホーリーグレイル、佐賀の花吹雪賞勝ち馬プレミアムカインドが出ている。稼働1世代というハンデがあるにもかかわらず、国内ダートリーディングで6位にランクされているのだから驚きだ。

 G1アーカンソーダービーでデビュー4連勝を飾りながら、骨折のため競走生活を断念したナダルは“幻のケンタッキーダービー馬”とも言われた。第1世代の初動はダートサイヤーとしての規格外のポテンシャルを感じさせるもの。早ければこの春にも現役時代の悔恨を晴らすチャンスが巡ってきそうだ。 (サラブレッド血統センター)

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