“大井の帝王”68歳・的場文男騎手引退 地方競馬歴代最多7424勝の金字塔 東京ダービーは勝てず

2025年2月14日 16:00

地方競馬通算最多勝記録・7152勝の会見で笑顔を見せる的場文男騎手

 大井競馬場は14日、国内最多勝利騎手で地方競馬歴代最多の7424勝を誇る「大井の帝王」こと的場文男騎手(68)が3月31日付で引退すると発表した。地方競馬をけん引し続けた巨人が、51年5カ月にわたる騎手生活に別れを告げた。

 2月17日午後に報道向けの引退会見を行い、その様子は後日、TCK公式YouTubeにて公開する。

 24年1月22日の大井10R「おおいぬ座特別」(ラバテラリュージュ)が最後の勝利となった。

 的場は福岡県大川市出身。大井競馬場所属の騎手として73年デビュー。83年、大井リーディングに輝くと85年から20年連続同リーディングを獲得。圧倒的な成績から「大井の帝王」と呼ばれた。

 また、飾らない人柄と“的場ダンス”と呼ばれる豪快な追いっぷりで、地方競馬のみならず全競馬ファンから絶大な人気を誇った。

 18年8月に佐々木竹見氏が持つ記録を抜き、地方競馬最多7152勝を達成。“永久不滅”の金字塔を打ち立てた。

 そんなレジェンド的場だが、地元大井最高峰の舞台、東京ダービーとは縁がなく、これまで2着10回。的場がダービー未勝利であることは「大井の七不思議」と呼ばれるほどだった。

 近年は左膝のケガなどに悩まされ、騎乗数、勝ち星ともに減少していた。的場は「次のステージでも頑張りたい」と語ったが、具体的には明らかにされていない。

 ◇的場 文男(まとば・ふみお)1956年(昭31)9月7日生まれ、福岡県大川市出身の68歳。東京都騎手会所属。73年10月16日、ホシミヤマで初騎乗5着もいきなり騎乗停止。同年11月6日、同馬で初勝利。77年アラブ王冠賞(ヨシノライデン)で重賞初制覇。83年初の大井リーディング獲得。85~04年まで20年連続で同リーディング(02、03年は全国勝ち鞍も1位)。18年8月、地方競馬最多7152勝を達成。20年11月、現役の騎手として初めて黄綬褒章受章。通算4万3497戦7424勝。JRAでは132戦4勝。地方重賞通算154勝。韓国で重賞1勝。思い出の馬はカウンテスアップ。最も記憶に残るレースはコンサートボーイで勝った97年帝王賞。好きな言葉は「努力」「根性」。好きな食べ物はカレーライス。血液型A。

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