【的場文男騎手引退】ラスボスなのに惨敗 わんこそばに本気 実はいじられキャラ
2025年2月14日 16:00 的場文男騎手(68)が引退を発表した。73年デビューから51年5カ月。「大井の帝王」が騎手人生にピリオドを打った。
的場騎手がこれほど長く騎手でいられたのは、後輩騎手から愛される存在であったからかもしれない。愛されるというより“いじられる”と表現した方が正確か。
矢野貴之騎手がこう証言したことがある。「息子や孫のような後輩騎手まで、ほぼ全員がいじってます。怒ってもいいはずだけど的場さんは笑っているだけ。人間の器が大きいんですよ」
大井競馬場が「TCKお客さま感謝デー」におけるイベントの一環で、ファンと騎手の綱引き対決を企画したことがあった。
ポスターの中心に位置したのは「ラスボス・的場文男」。上半身裸で、まるで江頭2:50のようなムード。このポスターは目を引いた。そして、どう見ても20代のファンを相手に本気で綱引きに挑み、前のめりに転がってあっさりと負けた。ファン、後輩騎手は大爆笑。的場騎手も照れ笑いを浮かべた。
また、ある年のファン感謝デーは「騎手対抗わんこそば対決」が行われた。これに目を輝かせたのが的場騎手。後輩騎手に最高の笑顔でそばを放り込み続けた。「もう無理っす!」と苦悶の表情を浮かべる後輩に「まだまだ!」とわんこそばを連打。これまた爆笑の渦に包まれた。
大先輩騎手だからといって威張ることなく、一緒になって笑い転げる。的場騎手の周囲には、いつも笑顔があふれていた。