ディープ黄金時代はこれから
2020年4月22日 05:30 3戦不敗馬同士の一騎打ちを制した第80代皐月賞馬コントレイルの強さは、正直なところ予想のはるか上をいくものだった。前日の大雨によって時計勝負での絶対的なアドバンテージを封じられただけでなく、94年ナリタブライアンを最後に四半世紀にわたって勝ち馬が出ていなかった最内1番枠の不利も増幅されていたのだが、委細構わずに後方待機から外を回す安全策で馬群を一掃。内から迫ったサリオスをロングスパートの余勢でねじ伏せる文字通り着差以上の完勝は、ダービーの最重要トライアルという観点からも理想的なパフォーマンスだった。ディープインパクト産駒として初の2冠達成はもちろん、さらにその先まで父の蹄跡を再現してみせる可能性大だろう。
ちなみにコントレイルの皐月賞は、種牡馬ディープインパクトにとって本年13勝目のJRA重賞タイトル。キャリアハイとなる年間38勝を記録した16年の13勝目も皐月賞のディーマジェスティだったから、自己最速タイのペースで重賞勝ちを積み重ねていることになるわけだ。2位ロードカナロアにダブルスコアで早くもリーディング独走態勢に入った獲得賞金23億7426万7000円は、最終的に77億7348万4000円のキャリアハイに到達した昨年の同時期を1億6000万円余り上回っている。ライフワークとも思われたJRA開催週連続勝利記録は4月第1週に269週でまさかの終えんを迎えたディープインパクトだが、種牡馬統計記録上の黄金時代はこれからのようだ。(サラブレッド血統センター)