【天皇賞・春】キセキ吉兆の“出遅れ型” 晩成の父・ルーラーのDNAが騒ぐ
2020年4月29日 05:30 今年の出走馬の父は2週前登録の段階から全馬が内国産種牡馬。連覇を狙うフィエールマンの父ディープインパクトを筆頭に日本で調教され、日本の競馬で活躍して種牡馬入りした馬だが、意外にもというべきか、競走馬として春の天皇賞出走歴のない馬の方が多い。
3歳で現役を退いた馬は当然ながら春の天皇賞を走るチャンスはない。ユーキャンスマイルの父キングカメハメハ、モズベッロの父ディープブリランテ、ミッキースワローの父トーセンホマレボシがこれに該当する。
一方、古馬戦線で実績を残しながら京都3200メートルの大舞台を敬遠した馬はハッピーグリンの父ローエングリン、そしてキセキ、ダンビュライトの2頭出しとなったルーラーシップ。非世代限定戦での最長勝ち距離が1800メートルだった前者はともかく、2400メートルの日経新春杯を勝ち、3年連続出走の有馬記念で6→4→3着と着順を上げた後者は、常態化した出遅れにG1勝ちを阻まれていた面もあった。発馬のロスが相対的に軽減される長丁場のパフォーマンスを一度は見てみたかったようにも思う。
3年前の菊花賞馬キセキは父同様、2年続けてスルーしたタイトルに満を持して挑む。先行惜敗型から“出遅れ型”へのモデルチェンジは晩成型だった父の血が再燃しつつあるということ。吉兆と解釈しておきたい。(サラブレッド血統センター)