【阪神JF】白毛一族対決 勝負の分かれ目は父の“鮮度”

2020年12月9日 05:30

 3戦全勝で阪神ジュベナイルフィリーズに駒を進めてきたソダシとメイケイエールは、どちらも突然変異の白毛馬シラユキヒメにさかのぼる牝系の出身。前者は祖母、後者は3代母がシラユキヒメで、両馬の関係は5親等となる。6親等以内が民法上の親族と規定されている人間ルールを適用した場合でも、まぎれもない同族ということになる。

 現在のJRA競馬番組において、同じ年に複数の牝馬が2歳芝重賞を2勝するには相当に高いハードルがある。しかもその2頭が極めて近い血縁関係にあるというのだから、今回の2歳女王決定戦はある意味で先のジャパンCに匹敵する奇跡の対決。話題の毛色を抜きにしてもシラユキヒメ系に通底する遺伝力は驚くべきものといえるだろう。

 さて、牝系は同じでも両馬には大きな血統的ジェネレーションギャップがある。ソダシは今年、種牡馬引退が発表されたクロフネの第16世代。この父の産駒クロフネサプライズが2着に入ったのは8年前のことだ。一方のメイケイエールはディープインパクト後継ミッキーアイルの第1世代。近年の優勝馬では16年ソウルスターリング(父フランケル)、17年ラッキーライラック(父オルフェーヴル)がそうだったように、元々初年度産駒が強いレースでもある。最終的には父馬の“鮮度”が勝負の分かれ目となるかもしれない。 (サラブレッド血統センター)

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