英国キングマン産駒 日本席巻も

2021年3月10日 05:30

 先週末に行われた牡牝のクラシックトライアルは弥生賞ディープインパクト記念がドゥラメンテ産駒タイトルホルダー、チューリップ賞はミッキーアイル産駒のメイケイエールと在外種牡馬キングマン産駒エリザベスタワーの同着優勝だった。ドゥラメンテとミッキーアイルはどちらも現3歳が初世代。チューリップ賞が桜花賞トライアルに指定された95年以降、牡牝のトライアル開幕戦をルーキーサイヤーの産駒が制したのは、02年チューリップ賞のヘルスウォール(父エリシオ)と当時の弥生賞のバランスオブゲーム(父フサイチコンコルド)以来、19年ぶりのレアケースである。

 もう1頭のチューリップ賞優勝馬エリザベスタワーの父キングマンは英国供用種牡馬。こちらも日本のクラシックには産駒の出走歴がなく、広義では“ルーキー”ということになる。グリーンデザート系インヴィンシブルスピリット後継のキングマンは、現役時に欧州でマイルG1・4勝を含む8戦7勝、唯一の敗戦が英2000ギニー2着という強豪。種牡馬としても仏2000ギニーのパーシャンキング、セントジェームズパレスSとジャックルマロワ賞で“ダブル2代制覇”のパレスピアを出している有望株で、エリザベスタワーはこの父の第3世代初のGレース勝ち馬となる。

 キングマンは翌日の弥生賞ディープインパクト記念でも産駒のシュネルマイスターが2着を確保した。この春は英国からのリモートワークで日本競馬を席巻しそうだ。 (サラブレッド血統センター)

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