【高松宮記念】サリオス 「非短距離系」を逆説的に狙う

2022年3月23日 05:30

 4歳グレナディアガーズと5歳サリオス。今年の高松宮記念では新旧の朝日杯FS勝ち馬がデビュー以来初めて1200メートルを走る。特に1400メートルも未経験という後者のスプリント部門初挑戦は血統的にも非常に興味深い。

 サリオスの父ハーツクライはこれまで国内外で46頭のグレード勝ち馬(ダートグレード競走を含む)を出しているが、2歳戦を含めて1200メートルのグレード勝ち馬は13年北九州記念のツルマルレオンのみ。産駒の高松宮記念出走歴もそのツルマルレオンの12年13着、13年12着、19年のロジクライ8着、ペイシャフェリシタ12着が全てで、この部門に関しては完全に専門外といえる。母のサロミナは2200メートルの独オークス馬。ディープインパクト産駒の半姉サラキアは府中牝馬Sに勝ち、エリザベス女王杯、有馬記念2着と2000メートル超のG1で真価を発揮した。凱旋門賞サイヤーである母の父ロミタスも2400メートル路線に特化したニジンスキー系のスタミナ型。スプリントはおろかマイルでも短いと思われる血統構成なのだが、逆説的ながらそれゆえに今回のコンバートには、ある意味で突き抜けた可能性を感じるのである。

 牡馬クラシック連対馬の参戦は00年の覇者キングヘイロー以来。「皐月賞2着馬」の勝率は今のところ100%ということになる。勝機は十分だ。 (サラブレッド血統センター)

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