【浜田】本命候補3頭からエヒト◎の3つのポイント
2022年7月14日 10:00
▼木曜日のテーマは競馬。前週に会心ヒットを放った記者が、的中へのプロセスを振り返る。今回は七夕賞で3連単3万9600円を的中した東京本社予想担当・浜田公人記者が登場。6番人気エヒトの激走を見抜いた要素を、3つのポイントに分けて検証する。
七夕賞の本命候補は3頭だった。戦歴だけならヒートオンビートが断然。ただ、G1を開催する5大場にしか出走がなく、ローカル小回りへの出走は初めて。器用なタイプではないので不安が残った。前走の勝ちっぷりならアンティシペイト。こちらも、その前走がリステッド競走。メンバーのレベルは決して高くない。残った1頭がエヒト。まず直感的にハンデ54キロは軽いと思った。なぜか。◎という結論に至った要点を振り返る。
まずは対戦レベル。直近2戦はG2で9→7着。着順は大したことないが相手は強力。AJC杯は1~4着を重賞ウイナーが占めた。5着に食い込んだポタジェが後にG1大阪杯を制覇。エヒトはそこから2馬身圏内の9着。昇級初戦としては上々の内容だ。続く京都記念は勝ち馬と0秒4差。3~7着は約1馬身圏内に収まった。サンレイポケット、ユーバーレーベンといったG1好走馬、今年重賞2勝のレッドガランと接戦。ローカルG3で相手関係は明らかに楽になった印象を受けた。
次に舞台適性。実は福島は初参戦だったが、舞台が向く要素はあった。七夕賞出走前の通算4勝は全て右回り。うち3勝を阪神内回りと小倉で挙げていた。差し馬だが切れる脚はない。早めにアクセルを踏んで、ねじ伏せるタイプ。福島替わりがマイナスになるイメージはなかった。
そして体調。レース1週前の日曜追いで坂路4F49秒2~1F11秒5の猛時計をマーク。道中で一度もラップが落ちず、ラスト1Fが最速。中間に坂路で計時した5本全てが、この“尻上がり”ラップだった。ハンデには反映されない調子の良さが、稽古の動きに表れていた。
以上の3点から“ライバルと比べて54キロは軽い”という直感は確信に変わった。もちろん大外枠の不利を全く感じさせなかった、ベテラン田中勝の好騎乗にも助けられた。夏は「格より調子」というが、今回は成績や数字に表れにくい好走ファクターを、きっちり分析できたのが勝因だった。
(浜田 公人)